LGBTと彼らの抱える問題

 そもそもLGBTという言葉を知っている人はいても、その具体的な内容がどのようなものであるのか知らないという人が多いです。LGBTとはレズビアンにゲイ、バイセクシャルにトランスジェンダーといった4つの性的マイノリティを示す言葉の頭文字をつなげた言葉です。

 性別というものは、見た目から判断することができる身体的な性別だけではありません。おもに3種類の意味を持っており、見た目の性別のsexと社会的に役割を期待される性別のgender、そして個人の性的な事柄を包括的に示す性別のsexualityです。sexualityは、身体的な性別に加えて性自認ともいえる心の性別、誰を好きになるのかといった性的な指向から定義されています。性的指向と心と身体の性別の不一致によるマイノリティがLGBTというわけです。心の性別と身体的な性別が一致し、かつ異性愛者は、LGBTに対してストレートと言われます。

 多くの国々の制度は、ストレートが生活していくことを想定して作られています。そのため、LGBTに対応した制度が少なく、様々な問題に対応できる制度が未整備であることが少なくありません。また、LGBTの社会的な認知度が少ないことから、偏見が生まれてしまい、いじめや差別といった問題も少なくないことが現状です。

LGBTの人々を助けるボランティア

 LGBTの人々は、社会的な認知が進んでおらず、受け入れ態勢ができていないことによって、生きづらさを抱えるとともに、法整備が整っていないことによって権利が制限されてしまうという問題を抱えています。

 これらをできるだけ解消して行こうというボランティアがあります。代表的なボランティア団体としては、日本セクシュアルマイノリティ協会です。この団体は、ありのままの自分で胸を張って生きていける社会の実現を目指して活動をしている団体です。おもな活動としては、LGBTの人々の生活や暮らしのサポートやイベントの開催、各種団体との連携などがあげられます。

 ストレートの人々が生活していると、結婚や老後の生活などに不安を抱えていくことがあると、保険や各専門家へと相談していきますが、LGBTの人々は様々な理由により、相談できないこともあります。ボランティア活動により、LGBTの人とそのパートナーがともに暮らしていく将来設計や保険などといった生活のサポートをしていきます。同時に、LGBTについての正しい知識を広げるためのイベントや交流会も積極的に行っています。

 これらのボランティアに参加することは、専門的な知識が必要とされており難しいのではないかと感じる人もいますが、そのようなことはありません。内容によっては経験やスキルを必要とすることもありますが、基本的にはすべての人々を受け入れています。