現状では「LGBTの就労に特化した取り組み」や「LGBT差別禁止に関する法律」はされていません。

しかし、2014年にできた「男女雇用機会均等法の改正」ではセクシュアルハラスメント(以下セクハラ)に対するものも含まれていると明記されています。

法律上セクハラは禁止されています。

実際の日本の就労環境はどうなのか、見ていきましょう。

日本のLGBTの就労環境

「書類の性別をどちらにつけたら良いのかわからない」「面接でカミングアウトしたら帰れと言われた」など、セクハラは法律上で禁止されているとは言え、日本の就労環境は良いといえないのが現状です。

面接で悩みが生じる

途中までいい感じで話していたのに、カミングアウトをした途端、面接官の態度が変わった、自分の能力かカミングアウトが原因で落とされたのかわからないなど、面接でも悩みが生じることもあり、なかなか就職活動が進まないケースが多いです。

カミングアウトをしないように面接をすると、その部分に触れないようにしようと意識するので、上手く話せず面接で落とされてしまうこともあります。

差別的な発言

面接を突破しても、職場では不意打ちのように差別的な発言が飛んでくることも、「あの人オカマ?」「気持ち悪い」など陰口が嫌になり、長期的な就労が困難になってしまうケースが多いです。

配慮が足りない場合も

理解を得て、就労していても社内で公開しているデータに戸籍上の性別が載っているので、カミングアウトしていないひとたちにバレてしまう。

性自認とは違うエリアに分けられてしまったなど配慮を受けられないケースもあります。

企業も働きやすい環境を作ってはいますが、まだまだLGBTに対する理解は得られていないのが現状です。

LGBTの仕事探し

現在の日本では、法律上のLGBTの方の雇用を義務つける制度はありません。

民間団体がLGBTへの理解を推進するための評価指標「PRIDE指標」を提示する動きもあり、昔よりかは企業のLGBTに対する理解も得られます。

LGBTのセミナーを開催する企業も増えているので、理解者のアライを増やして就労環境を改善しようとする企業も増えています。

PRID指標とは

任意団体work with Prideが決めた、企業や団体におけるLGBTに対する取り組みを評価指標したものです。

評価基準は「会社としてLGBTの性的マイノリティに燗する方針を明文化し、インターネット等で会社外に広く公開している」など8つの評価項目が設置されています。

LGBT指標がある企業を基準に探していけば、理解を得ながら就労ができるでしょう。

アライの人を探す

LGBTの当事者ではない人が理解し支援する考えを持っていることを「アライ」といいます。

快適に働くうえでは、アライの存在がカギを握っていると言われているので、カミングアウトの判断も重要です。

就労したい職場にアライがいるのかは数字や項目では判断できないので、面接のタイミングで聞けないことが、日本の企業の現状となります。

LGBT向けサポートを受ける

LGBTについて悩んでおり就労が困難である、カミングアウトについて悩んでいるなどの相談は、「働くLGBTの方向けの電話相談窓口」を活用して悩みを聞いて貰いましょう。

理解者があなたの相談を親身になって聞いてくれます。

【まとめ】深く考え過ぎないことがポイント

「LGBTだから働けない」「自分はLGBTだから必要とされていない」など考えるほど、悩みは大きくなってしまいます。

アライの方が比較的多いとされる「PRID指標」がついている企業を中心に選ぶことで、理解を得ながら就労をすることができます。

悩みや不安があれば「働くLGBT向けの電話相談窓口」を利用して話を聞いて貰いましょう。