イジメや偏見の対象になったことも
LGBTへの関心が高まっているのは、それだけ多くの人の関心事になっているからといえるでしょう。日本では、まだまだ理解が遅れているといわざるを得ませんが、徐々に浸透を見せてきています。
そもそも、LGBTの理解がどの程度のものなのかという点も気になるところではないでしょうか。女性が女性を好きになることや男性同士のカップルなどに加えて、両性を恋愛対象とする人などの総称がLGBTです。世界的にも盛り上がりを見せるようになった現代社会では、なんとなくLGBTという言葉も当たり前に使えるようになってきましたが、従前の日本では全く受け入れられなかったといっても過言ではありません。「男性が男性を恋愛対象にする!」などということはもっての外というような風潮があったことも事実です。
いわゆるレズビアンやゲイ、バイセクシャルなどと聞けば、どことなく差別や偏見などの視点を持ってしまうという人も多いかもしれません。むろん、違法行為や公序良俗に反する行為などに該当するようなことでもしない限りは、何も責められることはありません。しかしながら、LGBTに該当する人たちの中には、学校や職場などでのイジメや仲間外れなどに遭ってしまうケースが多くありました。
社会全体で取り組むことが大事
グローバル社会の台頭や価値観の多様化などの影響が、LGBTへの考え方を変えたといっても過言ではないといえるのではないでしょうか。性にまつわることでは閉鎖的といわれる日本にも着実にLGBTへの理解を示す流れが確立されつつあります。現時点では少数派といわざるを得ませんが、LGBTを積極的に受け入れる企業も増えてきています。LGBTであることを理由に、冷遇されることがないようにすべきだという機運もあります。このような企業の動きが見られることについては、好意的に受け止める人も多く、社会に定着化して欲しいと願う人も少なくありません。
渋谷区では、同性同士の結婚も正式に認めるなど、明らかに過去にはなかった動きも見られます。自治体がお墨付きを与えたともいえる同性婚は、渋谷区以外にも広がりを見せているのです。このような流れを見ても、LGBTへの理解は進んでいるといえるかもしれませんが、クリアしなければならない課題や懸念事項も山積しています。「同性愛者が増えれば少子化に拍車がかかる」などのネガティブな意見を述べる人がいるのも事実です。当事者のみならず、社会全体で取り組んでいかなくてはいけない問題といえるでしょう。