セクシャルマイノリティとは?

 セクシャルマイノリティとはどのような人たちのことでしょうか。これは一般的には男性と女性が恋愛、結婚するのが当たり前だと考えられていますが、そうした人たちとは異なる人たちのことをまとめて指す言葉です。具体的にはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどの人々が典型的なものです。こうした人たちは性においては少数派の人たちです。そのため、「マイノリティ」(少数派)という言葉が入っています。

 しかしながら、異性を好きになるというのは当たり前のことではありません。実際には同性同士が好きになることもあります。このことは自然界に生きている生物を見てみると一目瞭然でしょう。たとえば、ペンギンはメス同士で性行為を行うことがあります。統計的にはメスの半分以上が生涯でそうした行為をします。したがって、人間の同性愛は何らおかしいものでも、自然に反するものでもないのですが、社会の中で多数派の人たちがそうしたセクシャルマイノリティの人たちを自然に反するとレッテル貼りをすることがしばしば行われています。

 結婚制度をはじめとする社会制度も異性愛を前提にしているものが大半です。そうしてセクシャルマイノリティの人たちが辛い思いをすることがたびたびあります。ちなみに、セクシャルマイノリティはいったいどのくらいいるのでしょうか。世界的には人口の3%から5%程度を占めています。100人に3人から5人くらいが同性を恋愛対象としてみているというわけです。

さまざまな問題

 世界各国においてまだまだ性の多様性に対する理解が進んでいないのが現状です。そのため、セクシャルマイノリティは日常生活を送る上でさまざまな生きづらさを感じています。たとえば、自己承認の問題があります。自分のセクシャリティを自覚していても、それをきちんと受け入れられないことがあります。そうしたことで悩んで自分を肯定的に捉えられなくなってしまうのです。

 親や社会が性を押し付けてしまうのが根本原因です。また、法的な問題もあります。セクシャルマイノリティを前提にした法律や制度が整えられていないのが実情です。それによっていろいろなケースでセクシャルマイノリティの権利が制限されることがあります。

 典型的なものは結婚問題でしょう。同性同士の結婚は認められていないことが多いです。日本ではカップルになったとしても扶養家族として所得税の申告ができなかったり、死後に財産分与ができなかったりする問題があります。