LGBTがメディアで取り上げられる機会が多くなってきたと感じていませんか。LGBTの当事者の過去や現在の活動が紹介される機会が多くなることによって、LGBTを身近に感じる時代が訪れました。

ここはちょっと立ち止まって、LGBTがメディアで取り上げられるメリット・デメリットについて考えてみませんか。メディアがLGBTに与える影響について知っていきましょう。

LGBTがメディアで取り上げられる3つのメリット

LGBTがメディアで取り上げられることによって、社会の動きや人の考えに変化が起こるかもしれません。メディアが人に与える影響は大きく、うまく活用することによってさまざまなメリットが発生します。

LGBTへの理解へとつながる

LGBTがメディアで取り上げられる大きなメリットと言えるのが、LGBTへの理解へとつながることです。

LGBTの人たちがどんな価値観を持っているのか?どんな考えを持っているのかを知る人が多くなることで、LGBTへの理解へとつながっていきます。

LGBT=悪いこと、隠さなければいけないこととして、日本では長年にわたってLGBTの人たちの存在が隠されてきました。社会的な差別から逃れるために、自らLGBTであることを隠してきた当事者たちもいます。

LGBTがメディアに取り上げられるということは、自らの存在を隠してきたLGBTの人たちの心を救うことにつながるかもしれません。

LGBTが身近な存在になる

LGBTの人たちがメディアに出る機会が増えれば、LGBTが身近な存在となるメリットが考えられます。LGBTの人たちに対する差別があるのは、特別な存在として考えられていることが原因の1つだと考えられます。

LGBTの人たちを普通の人間とは違う異質な存在として感じることで、相手を排除しようとする本能が働いているのかもしれません。LGBTの存在が身近になれば、異質な存在と感じる人が少なくなることでしょう。

人生の選択が広がっていく

 

LGBTがメディアに取り上げられることによって、人生の選択が広がる人もいるかもしれません。男性は女性を愛することが当たり前、女性は男性を愛することが当たり前といった価値観からの脱却。

男性に生まれたら男性らしく、女性に生まれたら女性らしくといった価値観だけではない人生の選択が広がる可能性があります。

グローバルで柔軟性のある考え方が広がることで、社会全体が良い方向に向かっていく未来が訪れる可能性も考えられるでしょう。

LGBTがメディアで取り上げられる3つのデメリット

 

LGBTがメディアで取り上げられることは大きなメリットを生み出す一方で、デメリットを発生させる恐れもあります。私たちはメディアが持つメリットとデメリットのどちらも知り、メディアと共生していかなければなりません。

LGBTに対する偏った見方が広がる恐れがある

LGBTをメディアで発信する発信者のやり方によっては、偏った考えが広がってしまう恐れが考えられます。

たとえばLGBTはみんなこんな考え方をしている・全てのLGBTがこんな悩みを抱えているなど、極端な表現をしてしまう発信者も中にはいるかもしれません。

LGBTについてよく知らない人が偏った考えに触れることがあれば、LGBTはこういった人たちなのだと思い込んでしまいます。

LGBTの存在を広めてほしくない当事者もいる

LGBTについてメディアで取り上げてほしくない・あまり知られたくないといった当事者も中にはいます。LGBTの人たちのすべてが、誰かに存在を知ってほしい・気持ちを知ってほしいとは考えていないからです。

LGBTの人たちの中には、社会から隠された世界での恋愛を楽しむ人もいます。LGBTの当事者ではない人たちに、自分たちの世界を暴かれたくないと考える人も少なくありません。

LGBTの存在が社会から認知されていくことを、誰もが喜んでいるわけではないという現状があるのです。

逆差別につながっていく可能性も

メディアを通してLGBTの存在が社会に認知されていく中で、逆差別が起こっていく恐れが考えられます。つまり異性愛者に対する差別が広がっていく可能性があるのです。

たとえば異性愛者の男性が「女性が好き」「男性を好きになるのは考えられない」と個人の考えを発言しただけで、LGBTへの差別とされる時代が訪れるかもしれません。

LGBTはもちろんそうでない人も自分の価値観を持ち、自由に生きる権利が存在します。一方の価値観や考えだけが大切にするのではなく、すべての価値観を受け止められる社会にしていくことが大切になってくるでしょう。

【まとめ】メディアで発信されていること=真実とは限らない

LGBTに限らず何かがメディアによって発信される場合、発信者による編集が入ります。編集が入るということは、発信者によるこうなってほしい・こう思ってほしいといった願望が入るということ。

情報に触れた人は発信者からの影響を少なからず受け、良くも悪くも考え方や価値観が変わっていきます。大切なのはメディアから発信される情報に対して、私たちが冷静に受け止めるということ。

冷静さを持っていれば、LGBTに対する真の理解へとつながっていきます。