日本ではLGBTの結婚は認められていないが、同性パートナーシップ制度はある
LGBTはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとったもので、こうしたセクシュアルマイノリティのことを指します。LGBT自体は日本でも広く知られるようになりましたが、まだまだわかっていないことが多いのではないでしょうか。
その代表的なものがLGBTの結婚でしょう。日本ではLGBTの結婚は法律で認められていません。それというのも、日本国憲法第24条では「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本」とするという文言があるからです。つまり、ここでいう「両性」とは男性と女性のことを意味すると解釈されていて、結婚は男女によるものであって、同性婚は日本国憲法においては認められていないと解釈されているのです。
日本では法律的にLGBTの結婚は認められてはいないものの、そうしたカップルを認める声が強く叫ばれていることから、日本の一部の地方自治体では「同性パートナーシップ制度」が導入されているところもあります。たとえば、東京都の渋谷区や世田谷区、三重県の伊賀市などです。しかしながら、この制度は法的拘束力がないという欠点があります。そのため、既婚者が普通にやっている財産分与といったことなどは認められていません。
海外においてはLGBTの結婚は認められているのか?
日本ではLGBTの結婚は認められていませんが、海外においてはどのようになっているのでしょうか。オランダ、スペイン、ポルトガル、ニュージーランドなどをはじめとする世界24カ国では同性婚が法的に認められています。あるいは、結婚はまだ認められていないが、日本のようにパートナーシップ制度が導入されている国としては、イスラエル、オーストリア、スロベニア、リヒテンシュタインなどをはじめとする世界17カ国です。
ただし、あくまでもパートナーシップと婚姻は別物扱いになっていますので、財産分与や税制上の優遇などはありません。また、国によってはLGBTの結婚が法律で禁止されている国もあります。イギリス、サウジアラビア、アラブ首長国連邦などをはじめとする世界76カ国です。結婚どころか同性同士の性行為自体が禁止されているところもあります。国によっては違法になって厳罰処分が下されて死刑になることもあります。これは中東地域に多い傾向です。それというのも、イスラム教においてはソドミーが厳しく禁止されているからです。日本においても世界においてもLGBTの人たちにとっては厳しい現実があることには変わりないです。