日本に住むLGBTQの人を悩ませるのが服装の問題です。自分の個性に合った服装を選択しようと思っても、さまざまな事情が絡み合いうまくいかないことがあるのです。
なぜ好きな服が着られないのか?また自分の心を守るために、どんな工夫をしていけば良いのか?詳しく解説していきます。
LGBTQだと自由な服装を選択するのが難しい理由
サイズの問題
大きな悩みの種となるのが、サイズの問題です。特に日本では、規格に沿ったサイズの服を販売することが重視されています。なぜなら規格外のサイズの服を販売しても、売れない可能性が高いからです。
そのためたとえばトランスジェンダーの人が服を買おうとしても、自分に合ったサイズが見つからない場合があります。
ブティックに行った際に自分好みの服を見つけても、大きすぎたり小さすぎたりして泣く泣く諦める可能性が高いでしょう。
自分で服の手直しができると良いのですが・・・すでに出来上がっている服のサイズを変えるのは簡単なことではありません。このような事情から、多くのLGBTQの人が好きな服を着ることができずに困っているのです。
空気を読むのを重要視される傾向があるため
ほかにも、日本人の多くに見られる空気を読むことを重視する国民性が関係しています。もし職場に明らかに身体つきが男性なのに服装は女性の人が現れたら・・・残念ながら良い顔はされないでしょう。
本来ならどんな服装をしようが本人の勝手なのですが、日本ではとにかく服装に対する制限が厳しいのです。たとえば日本のスーパーで働く際は、服の色が重視されます。
同じ茶色でも派手な色はダメ、黒やダークブランを選択すること。また髪色に制限がかかる場合もあります。
休日になって外に出かける際も、地域によっては少し派手な服装をしたり肌が見える服装をしたりしただけで白い目で見られることも。
同じ日本でも都会は服装に関してそこまで厳しくないのですが、地方は細かな点に関しても指摘を受ける可能性があります。やはり日本で暮らす以上、ある程度は周りへの配慮を意識していく必要があるでしょう。
LGBTQの人が自由な服装を楽しむにはどうしたら良い?
日本においてLGBTQの人が自由で個性的な服装を楽しむには、いくつかの選択肢があります。自分に合った方法を選んでみましょう。
自分で服を作る
1つの方法として、自分で服を作る選択が挙げられます。世界に1つだけの自分の服を作ることによって、服に関する自由度がグッと上がります。
なぜなら自分のサイズに合った服を手に入れることができるのだから。もちろん手間はかかりますが、服装にこだわりがある人にとって魅力的な選択といえるでしょう。
ネット通販を利用する
通販サイトを利用する方法も考えられるでしょう。通販サイトはさまざまな人が利用する特性上、多彩なサイズの服を取り揃えている傾向が見られます。
そのためさまざまなブティックで服を探し回るより、自分に合った服が見つかる可能性が高まるのです。自宅にいながら買い物が楽しめるのも強み。ぜひ自分に合った通販サイトを見つけてみてください。
ハンドメイド作家と交渉する
服を自作しているハンドメイド作家と交渉し、自分のサイズや好みに合った服を作ってもらう方法もあります。あなたの身体の特徴にあった服を作ってもらうことで、余計なストレスを感じずに済みます。
ただ一口にハンドメイド作家と言ってもさまざまな個性を持った人たちがいるため、交渉する際は慎重に行いましょう。
たとえば明らかに高額すぎる金額を要求されたり、イメージと違った服が完成したりする場合があります。
ハンドメイド作家とはこれから長い付き合いになる可能性があります。知識・技術だけではなく、その人となりもしっかりと見極めましょう。
LGBTQの人が好きな服装で出かける際のポイント
ジェンダーレストイレの場所を確認しておこう
外に出かけた際に、服がほつれるなどのトラブルが発生する場合があります。そのためジェンダーレストイレの場所をしっかり確認しておくと良いでしょう。
落ち着いて過ごせる個室があれば、少しのほつれならすぐに直せます。もしジェンダーレストイレが無い場合は、多機能トイレの利用を検討してみましょう。
ただ多機能トイレは車いすの人も利用するため、あまり長居しないよう注意が必要です。
LGBTQフレンドリーを掲げる施設をうまく利用する
LGBTQフレンドリーを掲げる施設をうまく利用することで、気兼ねなく自由な服装を楽しめます。LGBTQフレンドリーを掲げるホテルやスナックなど、徐々に増えてきていますのでぜひ探してみてください。
さまざまな工夫によって自分らしい毎日を過ごそう
日本ではまだまだLGBTQへの理解が深まっているとは言えず、悩んだり不安を抱えたりする当事者が少なくありません。それでもさまざまな工夫を意識することによって、今よりもずっと生きやすくなります。
何でも自由とはいきませんが、好きな服装をしたり化粧を楽しめたりする場所は必ずあります。自分にとって良い方法はどんどん取り入れ、毎日を楽しくしていきましょう。