日本にはどれぐらいのLGBTがいるのか?
最初に結論から言ってしまうと、日本におけるLGBTの割合は約8パーセントと言われます。これは約13人に1人の割合であり、日本におけるAB型の比率や、左利きの人の比率と同じだと言われています。左利きの人はそれなりに目にしますし、学校や会社などの集団でAB型の人がゼロということはあまりありません。それに比べて、LGBTは数が少ないように思われています。
13人に1人といえば、30人から40人ていどのクラスで考えると3人はLGBTがいるという割合です。この結果を単純に受け取ると、今までの人生の中でLGBTに接する機会があったということになります。思春期に自分がLGBTであることを意識し始め、自分は異常なのではないかと悩んだ人もいるでしょう。それなのに実際は、同じクラスだけでも自分のほかにもう2人はLGBTのクラスメートがいた計算になるのです。それなのに数が少ないようにみえるのは、日本ではLGBTであることをカミングアウトしている人の割合が少ないからです。
データによれば、自分がLGBTであることを周囲にカミングアウトしている人の割合は30パーセントにも達しません。その中でも、対友人や職場内など、家族以外にカミングアウトしている人の割合を見ると友人に対しては13パーセント。職場ともなると4パーセントに下がってしまいます。これはやはり根強い差別と偏見がその背景にあるのです。
LGBTは少数だが、決して少なすぎるわけではない
確かに日本において、LGBTの割合は決して多いとは言えません。しかし左利きやAB型が珍しいものではないように、LGBTも決して珍しいものではないのです。またそれ以上に忘れてはいけないのは、少数派であることは異常であることでもなければ、恥ずかしいことでもないということです。
潜在的なLGBTの割合は今後もあまり大きく変わることがないかもしれません。そうなると、日本では1000万人近いLGBT人口がいて、その内の約70パーセント、700万人近い人達はこれからも自分がLGBTであるとカミングアウトできずに暮らしていくことになるわけです。もちろん自分の意志で、カミングアウトする必要を感じずにいる人もいるでしょう。しかしその多くは自分がLGBTであることをカミングアウトできずにいるのだということは想像に難くありません。LGBTは決して極端に少なすぎるわけでもなければ、恥ずかしいことでもありません。それを実感するためには、LGBTフレンドリーな社会を作り、LGBTであることをカミングアウトしやすい環境を作っていくことが大切ではないでしょうか。