LGBTの結婚の現状とは?

 LGBTに対する理解度が深まる一方で、日本国内ではまだまだ同性婚の議論が進んでいません。法律も整っていないため、LGBTの当人同士がどんなに望んでも戸籍の上で正式に結婚することができないのです。日本における結婚制度は、適用されることで様々な面において法律で守られるというメリットがあります。

 しかしLGBTの場合は、長年生活を共にして夫婦同然の暮らしをしていたとしても、書類が受理されないため正式な家族と認められることはありません。相続の問題や税金の問題なども絡んでくるため、早急な同性婚の認可が求められています。

 それに対してアメリカをはじめとする諸外国では同性婚を認める動きが進んでおり、同性カップルを保護する法律も珍しくなくなりました。結婚と同等の権利を与えられる登録パートナーシップ制度を定めた国も多く、日本でも同様の制度を求める活動が始まっています。この動きを受けて、国内のいくつかの自治体ではパートナーシップ証明書や宣誓書の発行が行われています。正式な結婚ではないものの、この申請をすることで二人がカップルであることが認められるようになります。

 ただし、これに法的な力はなく海外の登録パートナーシップ制度とは一線を画します。条例や要綱の範囲内で認められただけであって、法律の上では結婚したと認められないのです。そのため、同性婚が合法化された国に移住して結婚するカップルも増えています。

LGBTのための結婚式

 正式に結婚できないとしても、ひとつのけじめとして結婚式を望む同性カップルも存在しています。そんな人たちのために、一部の結婚式場ではLGBT向けの特別なサービスが提供されるようになりました。男性同士のカップルにはそれぞれにお揃いのタキシードを用意したり、女性同士のカップルには各自好みのウェディングドレスを選べるようにしたり、一人一人が自認する性別に従った衣装を用意してもらえるのです。

 LGBTには様々なバリエーションがあるため、カップルの形だけ結婚式の内容も異なってきます。それに対応できる柔軟さがこのサービスの最大の魅力となっています。LGBTの存在が認められ同性婚が受け入れられるようになったと言っても、まだまだ偏見を持つ人がいるのも事実です。そのため、同性婚の結婚式の場合にはプライバシーに配慮した対応が厳重に行われています。守秘義務が徹底されるのはもちろんのこと、希望すれば会場を貸し切って部外者が立ち入れないようにしてもらえるため、事情があってカミングアウトをしていないカップルでも安心して利用することができます。