今楽しそうに暮らしているLGBTのあの人もこの人も、昔は多くの不安や悩みを抱えていたことを知っていますか。さまざまな試練や葛藤を乗り越え、今の彼らがいるのです。

10代の頃、彼らはどんな不安や悩みを抱えていたのでしょうか。LGBTが思春期の頃に抱えがちな悩み・不安について触れていきますので、気になる人はぜひ参考にしてください。

自分が何者なのか悩んだ

LGBTの人が10代の頃に悩みがちなのが、自分は何者なのかについてです。10代に入ると自分をある程度客観視できるようになるため、自分と他者との違いに気付く人が増えていきます。

その過程の中で、自分がLGBTであることを自覚していくのです。自分は何者なのか?多くのLGBTの人がぶち当たる疑問といえるでしょう。どんな環境・どんな立場に置かれていても、自分は自分。

そう思えるようになれば、グッと気持ちが楽になりますよ。

何で普通になれないのか?自分を責めた

自分がLGBTであることを若いうちからあっさり受け入れられる人であれば、特に問題はありません。問題になるのは、自分と周りとを比べて悩んでしまうからです。

なぜ自分は周りの子と同じように、異性に対して興味が持てないのか?どうして普通の輪の中に入れないの?このように自分を責めてしまう人が多くいます。

特に10代は多感な年ごろ。少しでも自分と周りとの間に違いがあれば、つい気になってしまいます。ましてや性的な感覚や自分の性別にかかわることなら、なおさら。悩むなと言っても無理な話でしょう。

大人になってくると、普通にもいろいろあるとある程度は割り切れるようになります。しかし10代の頃はまだ、そんな柔軟な考え方はできません。

そのためふさぎ込んでしまい、時に人格形成に大きな影響を与えることがあるのです。もし10代でLGBTであることに悩んでいる人が周りにいるなら、普通にもいろいろあることを教えてあげてください。

誰かに相談したくても誰に相談すれば良いのか分からない

自分がLGBTなのか明確になっていない頃は、とにかく誰かに相談したくなるもの。しかし家庭・学校と交友関係が狭くなりがちな10代の頃は、なかなか良い相談相手に巡り合えません。

そのため誰に相談すれば良いのか分からず、悩みを抱える10代がとても多くいます。内容が内容なだけに、誰でも良いから相談するというわけにもいかず・・・

信頼できる相談相手を見つけられるかが、悩み続ける日々から解放される重要なポイントといえるでしょう。

嘘の自分を演じるのに疲れていた

自分がLGBTであることが周りに知られれば、友達を失う・家族を悲しませるなど大きなリスクを背負うことになります。そのため心身ともに女性または男性で、異性が恋愛対象である自分を演じている人が少なくありません。

特に10代の頃は世界が狭く、自分はこの場所でしか生きていけないといった閉塞感を常に抱えています。自分の立場を安定させるために、普通を装うのは無理もないことと言えるでしょう。

本来の自分と嘘の自分をうまく使い分け、世渡り上手で生きていけるならそれでも問題ないかもしれません。しかしそのようにうまく立ち回れない人も多く、嘘の自分を演じ続けることに次第に疲れていきます。

家族や親友に対して自分を偽るのは、かなりのストレスがたまる行為といえるでしょう。

自分の好きな服装を選べないストレス

LGBTの「T」つまりトランスジェンダーに当たる人は、自分の服装に悩むことになります。心と身体の性が異なるため、自分の好きな服装を重視するとどうしても周りの常識との違いが生まれてくるからです。

10代はおしゃれに目覚める楽しい時期。そんな頃に服装での我慢を強いられるのは、本人にとって大きなストレスといえるでしょう。

将来どのようにして生きていけば良いのか

自分がLGBTだと知ってしばらくしてから感じるのが、将来への不安です。自分がどんな環境でどう働いているのか?何を生きがいにしているのか?など、たくさんの不安がわいてきます。

ロールモデルとなる大人が身近にいないと、将来についてイメージするのがどうしても難しくなるのでしょう。ある時期を過ぎると自分らしい将来のあり方を想像できたり、そのための具体的な行動ができたりします。

しかし特殊な事情を抱えている人にとって、具体的な将来を想像するのは簡単なことではありません。だからこそ悩むのでしょう。

自分にとっての人生のお手本となる人を見つけられれば、早めの悩み解決へとつながりそうです。

悩みや不安をそのままにせず、多くの人に相談しよう

10代の頃に感じている悩みをそのまま放置すると、大人になっても引きずり続けることになります。そのため今現在、悩みや不安があるなら早めに相談することが重要です。

今は昔と違いSNSが発展しているため、困ったときに呼びかければたくさんの相談相手が見つかります。LGBTに関する相談に乗ってくれる機関もあるため、積極的に利用してみましょう。

なるべく多くの人や機関に相談することによって多彩な知識が手に入り、安心を得られるだけではなく考え方の偏りも防げます。

10代のLGBTはさまざまなこと悩んだり、不安に感じたりするもの。ぜひ1人でストレスを抱えず、少しでも楽になることを考えてみてください。