専門の相談窓口を活用すること

 恋愛に関する日本の仕組みや話題は、絶対数が多い異性愛者によって作られているといえます。レズビアンやゲイなどのLGBTは、割合でいうと10%もいない上に、存在を隠している方が多いため、セクシャルマイノリティの話題がでることは多くありません。そのため、悩みを持っていても誰にも相談ができないLGBTの方がたくさんいます。地方に住んでいれば、LGBTに関するコミュニティもないケースが多く、自分一人がセクシャルマイノリティだと感じる方もいるはずです。

 もしも、家族や友人にも話せずに悩んでいるのなら、LGBTに関する相談ができる専用の電話窓口があるので活用しましょう。LGBT用に開設された窓口ならば、セクシャルマイノリティに理解や知識のある方が相談に乗ってくれて、悩みを解決する手助けとなってくれます。話しただけでスッキリするような簡単な問題ではありませんが、解決するための第一歩を踏み出すのはとても大切なことです。いくつもの自治体や法人が窓口を開設しているため、インターネットを使えば相談できる電話番号を簡単に探せます。

 なお、トランスジェンダーの方で性同一性障害に悩んでいるのなら、医療機関を訪れることも考えましょう。LGBTの方たちは治療の対象とはなっていませんが(もちろん治療する必要は一切ない)、性同一性障害なら対象となっています。性転換手術を受ければ、戸籍上でも『男性は女性』に『女性は男性』になれるので、心と体の不一致の解消ができます。

カミングアウトを軽々しく行うのは危険

 LGBTのどれかに所属していることを、一人で抱え込むのは大きな悩みとなるため、誰かに話してしまって楽になりたいと考える方もいるでしょう。しかし、誰もが本来の自分を受け入れてくれるとは限らないため、カミングアウトするのならば慎重に考えなければいけません。失敗して傷つくのは自分なので、受け入れてくれそうな方に打ち明けるようにしましょう。

 なお、カミングアウトするのならば、アウティングという行為を理解する必要があります。アウティングはセクシャルマイノリティだと伝えた相手が、勝手に周囲にそのことを広めてしまう行為です。酷い行為だと感じるかもしれませんが、中には悪意が一切ない状態でやってしまう困った方もいます。したがって、カミングアウトが成功して相手が受け入れてくれたとしても、そこで気を抜いてはいけません。周囲に黙って欲しいことをしっかりと説明して、秘密を守ってもらいましょう。