「交際して○○年経ったから、そろそろ同棲したい」「駅でさようならするのが寂しくなった」
さまざまな事情から、同棲を意識し始めるLGBTカップルは少なくないことでしょう。でもちょっと待って!LGBTカップルの同棲事情は少し複雑です。
何も知らずに住まい探しをしようとすると、思わぬ壁にぶつかってしまう場合も。本格的に住まい探しを始めてしまう前に、役立つ知識を身に着けることをおすすめします。
結論:LGBTカップルの住まい探しは大変
「LGBTカップルの住まい探しは大変」
こんな話を聞く機会が多いのは、ある理由が関係しています。自分たちだけではなく、周囲の人たちが抱えている事情が住まい探しを難しくしているケースも・・・いざと言うとき慌てることが無いよう、知識を深めていきましょう。
信頼性の問題がある
マンションやアパートなどの部屋を貸し出しているオーナーが、重要視しているポイントの1つが信頼性です。
「本当に家賃を払っていくことができるのか」
「家賃未払いのままどこかに行ってしまわないか」
などなど、オーナーは日々さまざまな不安を抱えています。そのため部屋を貸し出す相手に対して、信頼を求めるのです。LGBTカップルに部屋を貸し出す場合、オーナーは以下のような不安を感じます。
「2人が別れてしまい、家賃を払えなくなるかもしれない」
「婚姻関係が無い・これから婚姻関係になる可能性も低いため、信頼性の問題がある」
など、さまざまな理由からLGBTカップルに部屋を貸し出すことを良く思わないオーナーが少なくないのです。
男女の同棲カップルの場合、将来的に婚姻関係(家族になる)が成立する可能性が考えられ、信頼できる。
対してLGBTカップルの場合は日本において同性婚が認められていないため、婚姻関係(家族になる)が成立する可能性が低く信頼性に欠ける。
このような理由からLGBTカップルに部屋を貸し出すことに対して、抵抗感を抱くオーナーがいる現状があります。LGBTカップルの住まい事情は、かなり複雑といえるでしょう。
周囲に知り合いがいない場所を選ぶ必要がある
LGBTカップルだとカミングアウトしていない2人が同棲する場合、周囲に知り合いがいない場所で住まいを探していくことになります。そのため自然と住む場所に制限が出てきてしまい、住まい探しを困難なものにしています。
たとえばLGBTカップルの2人が一緒に住んでいるのを職場の誰かに見られ聞かれたら、何らかの事情を話さないわけにはいきません。何も話さなければ、職場の人に怪しまれてしまうからです。
LGBTカップルであることを職場の人に打ち明けない場合は、友達・家族といったように嘘をつくことになります。本音としては嘘なんてつきたくなくても、カミングアウトをしないと決めているのなら嘘をつくしかなくなります。
そんな嘘をつきたくないといった理由から、知り合いがいる場所や地域を避けて住まい探しをするLGBTカップルが少なくないのです。
とはいっても、知り合いがいない・職場や大学に近い・駅が近い・・・など
多くの条件をクリアした住まいは、そう簡単には見つかりません。そのためLGBTカップルの住まい探しは、人によって困難を極めます。
不動産会社への相談自体ハードルが高い
住まい探しの最初の段階、つまり不動産会社への相談自体が難しいといった考え方をする人たちも少なくありません。不動産会社に住まい探しの相談をする際には、まずLGBTカップルだと明かすことから始まります。
LGBTカップルであることをカミングアウトしていない場合、かなりハードルが高い行動です。
「差別的な言葉をかけられるかもしれない」「冷たい態度を取られて傷つくかもしれない」
そんな思いから、不動産会社に行くのを躊躇してしまうLGBTカップルがいるのです。LGBTカップルに対して好意的な不動産会社は存在しますが、まだまだ一般的とは言えません。
そのため好みのマンションやアパートを見つけても、不動産会社に相談する前にあきらめてしまうLGBTカップルがいる現実があります。
LGBTカップルが住まい探しをする際に試してみたいこと
LGBTカップルが住まい探しをする際は、まず「LGBTフレンドリー」を掲げる不動産会社を探してみましょう。「LGBTフレンドリー」とは、LGBTの人たちに対してフレンドリーな対応をする状態や心がけのことを指します。
LGBTフレンドリーの不動産会社なら、住まい探しの相談がしやすいかもしれません。LGBTならではの住まい事情に配慮した、理想的な物件が見つかる可能性も高まります。
ほかLGBTの友人・知り合いに相談するという方法もあります。
「良い物件を紹介してもらえた」「真剣に対応してくれた」
LGBTの友人・知り合いからのそんな話を参考にすれば、安心感のある住まい探しができるはずです。ただあくまでも住まいを決めるのは2人です。不動産会社や住まいの見極めは、必ず2人で責任を持って行うようにしましょう。
【まとめ】LGBTカップルだとカミングアウトする?しない?
LGBTカップルが住まい探しをする際に、どうしてもかかわってくるのがカミングアウトの問題です。カミングアウトするかしないかで、住まい探しの事情が変わってくるからです。
カミングアウトする場合は、しない場合に比べて住まい探しが楽になります。誰かにLGBTカップルであることを隠したり、人の目を気にしたりせずに済むからです。
不動産会社に住まいの相談をする際も、堂々としていられます。
LGBTカップルであることをカミングアウトしない場合は、不動産会社に対して自分たちの関係をどのように伝えていくのか?話し合っていく必要があります。
後悔の無い住まい探しを実現するためにも、ぜひ2人で話し合う機会を作ってみてください。