日本のLGBTに対しての現状はどうか?

 「LGBT」という言葉が日本でも認識されるようになってきました。LGBTとは「性的マイノリティー」を指す言葉であり、Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシャル、Tはトランスジェンダーとなり、その頭文字をとってLGBTと呼ばれています。現状日本ではこのLGBTの人々に対しての嫌がらせ、差別、偏見があり、LGBTの人達にとって生きにくい社会となっているのは事実です。テレビで LGBTであることを自ら告白し、そして活躍している芸能人はいますが、普段の日常生活や社会活動のなかで気持ちよくカミングアウトできる環境はそろっていないと言えます。

 しかし、2015年3月31日に、東京・渋谷区で日本で初の同性パートナーシップ条例が認可されたことはLGBTが認められる大きな進歩だと言えます。まだ海外の国のように結婚が認められてはいないですが、このことが日本の人々がLGBTを知る大きなきっかけとなりました。日本で初のパートナシップが認められたものの、海外では同性結婚を認めている国もあります。日本では法整備の観点から考えると差別禁止法がなければ、性別変更の条件も厳しく、先進国として非常に遅れています。

課題とこれからの対策について

 現状の課題として一番の問題点はLGBT当事者がカミングアウトできず、苦しい思いをしているという点です。その背景にはまだまだ差別やいやがらせといったものが減っておらず、「LGBTの人達は自分の身近にはいない」という認識がどこかあるからでしょう。実際にLGBTであるということはカミングアウトしない限り、周りの人達にはわかりません。この言えない環境を言える環境にするためにはまずはより多くの人達が正しい知識を持つことです。

 なぜ差別やいやがらせが起こるのか?というと間違った情報を持ってしまっているからではないでしょうか。今では少しずつ日本の企業でも、支援や協力など動きが見えはじめていますが、まだまだ大きくその動きは取り上げられることはなく、LGBTの人達が堂々と働ける環境作りには程遠いです。気軽にカミングアウトできる環境が整っていれば、LGBTの人達も社会で活躍し、こっそりとすることなく伸び伸びと生きていけます。そのような差別のない社会を作るためには、より多くの人たちがLGBTについて正しい知識を持ち、一人一人が個を尊重し、認め合うことで LGBTの人達にとって生きやすい社会が成り立つのではないでしょうか。